よく苡仁糖(よくいにん糖)ってご存じですか?

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 八代の菓子が話題になっていますが、よく苡仁糖(よくいにん糖)というハトムギを原料とした「おこし」をご存知でしょうか。八代で江戸時代から製造されており、『料理物語』に出てくるおこし米に製法・原料が近似してい菓子ですが、今は商品としてはありません。これは元熊本藩主で八代に隠棲した細川忠興(三斎)が考案したものとされます。東京堂出版の『日本銘菓事典』(2004年)には熊本県の銘菓(八代市の郷土菓子)として載っています。(『料理物語』は江戸時代の料理書です)

 後藤先輩と八代一中で同期のはずの岩本憲児さんという方がおられます。早稲田大学名誉教授で映画史・映画論の権威の先生ですが、一中では剣道をやっておられました(私も剣道部にいた時期があります)。高校は八高ではなく熊高でした。その岩本さんの実家は八代の老舗・京風菓子屋だったそうで、「よくいにん糖」を製造販売していたのですが、岩本さんのお父さんが亡くなられてそれを継ぐ人がなかったようです。このことを教えてくれたのは、一中の同級生のK子さんでした。

 私が八代にいたころはまだ製造されており、「ハトムギのおこし」ということで珍しかったからでしょうか、私の父は八代土産として会社関係の県外からのお客に贈っていたのを覚えています。K子さんもお土産に使っていたそうです。(*「よく」の漢字は変換ができません。草冠に意という字です。) (村田 護)

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